17.和製ジャズ温故知新2019/武満徹とジャズ
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- 2019/04/03(Wed) -
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和製ジャズを見つめる温故知新、現代音楽作曲家武満徹
とジャズのつながりを考えたい。 戦後のジャズブームを終えて、1960年中頃から一段と フリージャズの影響が出てくる。 前回のコラム「銀巴里セッション」もその一つの流れと考えられる のかも知れない。 海の向こうではオーネットコールマンが現れ、一段とジャズが混迷を 深めていく。 ![]() そのような中に同調するように出てきたのが、武満徹である。 一般人にはほとんどなじみのない現代音楽作曲家という肩書き を持っているが、映画音楽での彼の作品も大変素晴らしいものだ。 音楽作品を知らなくとも、黒沢明の「乱」、「どですかでん」、篠田正浩 の「はなれ瞽女おりん」勅使河原宏「他人の顔」をはじめとして、60年代 から70年にかけて膨大な映像音楽を作曲している。 その重要な要素に彼は、ジャズ手法を多数用いている。 スイングジャズの伝統的手法、デューク・エリントンのビックバンド手法 そしてフリージャズの手法まで用い、当時現れたジョン・ケージを始めとする 録音技術を用いたミュージックコンクレートまでも用いている。 ![]() 1960年代後半は戦後の混乱とは違う、高度経済成長の最ただ中である。 戦前の日本人の価値観が崩壊し、戦後新しく価値観を生み出そうとしている 混迷の時期とも言える。 そのような時期に現代音楽、ジャズ、美術、評論、映像に精通している 稀な作曲家武満徹が活躍する。 その後、彼は日本人独自の世界を彷彿させる「武満トーン」を作り上げ 世界のタケミツとなって行く。 勅使河原宏監督「ホゼー・トレス」より 武満徹作曲「トレーニングと休息の音楽」 |
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