最後の出演メンバーはアイヌヴォイスユニット『KAMIASHI(神脚)』。

このアイヌヴォイスユニットはアイヌの系譜を受け継ぐ間見宮家直系の7代目に当たる。
間宮といえば教科書でお馴染みの間宮林蔵である。間宮林蔵はアイヌではない。
その直系の3姉妹で作られたユニット。

当然、生まれた時からアイヌの風習、伝統を見て育っている。
今、アイヌはどういうふうに伝承していくかという、岐路にあるらしい。
昔、長老から若者へと伝承されていたものが、長老がほとんどいなくなり伝承のシステムが
壊れてしまったのである。アイヌは今から1600年前の弥生時代に現れたとされる。
正確には樺太(サハリン)から南下してきたニブフ(ロシア北端に住む先住民族)が
オホーツク地域に居住、時を経て徐々にアイヌ民族になったというもの。
アイヌの自然観はとにかくアニミズムの言葉に集約される。
自然物全てに神が宿るというアニミズムの考えは、自分の音楽作りのベースともなっている。
伝承を受け継いできたアイヌの未来はどうなっていくのだろう。

口伝伝承を身につけているアイヌと最先端のテクノロジーの出会いは、
アイヌにとって新しい場面を切り開いてくれるものと信じ、今回のコンサートに参加してもらった。